退職前夜
1月29日(月)
今日は本社で諸々の手続きをしてきた。
思ったよりも早く済んだため、せっかくの平日に時間があるのだからどこかへ遊びに行こうかとも思ったが、よくよく考えてみると2月からはカレンダーの色など関係ないことに気が付いた。無理して今日、街をうろつかなくともいい。納豆を買ってそのまま帰った。
1月30日(火)
明日の退職に向け、資料整理をした。
もうこんな辛い思いをしなくていいという解放感に支配されていた日々だったが、いざこれまで携わってきた案件の資料を見返してみるとなかなか感慨深いものがあった。とりわけ新人時代の作業について、たくさんのメモ書きが残されている資料を前に、己の変化を思い知った。
あんなに苦労してまとめたエクセルファイル「作業メモ」も二度と使わない、この知識が役立つことはもう一生ない。なんだったんだあの地獄の日々は。
いつまでも埋まる気配のない「上長からのコメント」欄を尻目に毎日反省しきる日報など。
生き残るためにふてぶてしさを選んでしまった私は新人時代の自分に頭があがらない。少しでも多くのスキルを身につけていきたいという意欲、前出来なかったことが先輩の力を借りずにできたときの喜びも忘れてしまった。何かひとつ、強みを身に着けたいと意気込んでいたあいつは死んだのだ。がんばれなくてごめんね。
かといって未練があるわけでもない。
もうちょっと続けてみるかと聞かれたらそれはまじで無理。
お先に失礼しまーす。